こんにちは、橋本です。
今回は「語源で覚える英単語―F」です。
「beforeとpreviousって同一語源なんですよ~」ということなどについてお話しています。
- artificial, manufacturedの語源(fac, fic:作る)
- define,final,finish,confineの語源(fin:終わり、境界、制限)
- superfluous,fluent,influenceの語源(flu:流れ)
- forecastの語源(fore:予め、前もって)
- infer,transferの語源(fer:運ぶこと、持ってくること)
- effort,comfortの語源(fort:強さ、力)
では、早速見ていきましょう。
artificial, manufacturedの語源(fac, fic:作る)
ここで取り扱う語源はfac / ficです。では、早速見ていきましょう。
- fac- / fic- :作る
- 単語例:artificial, manufactured
資格試験や受験を含め、英語の問題を解くときには「正しいパラフレーズ」が解答の鍵になっていることがあります。この時に、単語を分解し、各部分毎を比較することで解答することができることがあります。ここでは、artificial, manufacturedという2つの単語を持ちだして、その分析方法を紹介しつつfac- / fic- の理解を深めていただきたいと思います。
上記2つの単語を分解すると以下のようになります。
- artificial:art + fic +ial
- manufactured:manu + facture + ed
で、それぞれを比較すると、
- art≒技芸、fic=作ること、ial=形容詞化
- manu = 手、fac=作ること、ed=形容詞化
なので、非常に類似性のある作りになっていることがお分かりいただけますよね。
ここで、技芸を柔らかく言い換えると、「(職人さんの)スキル」みたいな感じです。ですので、「(職人さんの)スキルで作ったもの→人工物(→模倣品)」というような派生の仕方というわけですね。一方で、manu=手の方にも、「(職人さんの)手で作ったもの→人工物」という派生の仕方が想定できます。というわけで、上記のようにfic- / fac- という同語源を持つ2単語は十分にパラフレーズされる可能性がありそうですね。
ちなみに、ここで扱ったficと近い音にfigがありますが、これもまた同語源の言葉です。例えば、フィギュア(Figure)なんかはその好例です。ficは作ることですが、背景には「形作る」というshapeというコアイメージがあるというわけですね。
define,final,finish,confineの語源(fin:終わり、境界、制限)
さて、次はfinを扱っていきます。finってのは映画などで目にする人も多いのでなんとなく予想が付く人もいるのではないでしょうか?
- fin : 終わり、境界、制限
- 単語例:define, final, finish, confine
予想はあたっていましたか?finは「終わり、境界、制限」を意味します。「境界」と「制限」と「終わり」って、「ここまでだからね!」みたいな感じで、自由に対立するようなイメージを持つ言葉ばかりですね。例えば、define はde (complete)+fineから成り立っています。意味に制限を与える(意味の自由度に終わりを与える)といった感じです。また、confineはcon (together)+fineから成り立っていて、「一緒に制限する→幽閉する、縛り付ける」となっていますが、「幽閉する」なんてまさに自由に動ける領域に「境界」を定めて「制限」するようなイメージですよね。
superfluous,fluent,influenceの語源(flu:流れ)
さて、ここではsuperfluousという単語の意味を推測してもらいます。コンテクストがあるわけではないので、完全に意味をあてるのは難しいとは思いますが、コアなイメージを推測してみてください。
- flu : 流れ(flow)
- 単語例:fluent, influence, superfluous
fluは「流れ」のイメージをもっています。流という漢字が、水を意味する「さんずいへん」を持っているように、このflowという語も「水」のイメージがあるようです。fluent に日本語を当てるとすれば、「流暢な」という語が当てられますが、この語にも「流」という漢字が含まれており、「水」の意識があります。で、次にinfluenceを見てみると、influence は「中に流れ込む」というのが原義であったと言われているので、「中に流れ込む→影響がある」という派生の仕方であったことが分かります。
さて、ここでsuperfluousの意味を考えてみましょう。superfluousを分析すると、
- superは超える(over)のような意味
- fluは流れ、水系
- ousは形容詞化
となっています。よって、基本イメージとしては「水が溢れ出る」ようなイメージと言えます。というところから、superfluousの訳出は「余分な、余計な、なくてもよい」といったような意味が充てられています。どうでしたか?近い意味は推測できたでしょうか?
forecastの語源(fore:予め、前もって)
fore-は前もって知っておくべき接頭辞の1つです。
- fore : 予め、前もって(before, previous, earlier)
- 単語例:forecast
この接頭辞はbeforeのforeとおぼえておきましょう。(実際の成り立ちもbeforeはbe (by) + foreと言われています。)また、fore- はpre- と同じ語源を持っています。fとpは音が似ているので、特に不思議なことではないですね。(韓国語のコーヒーはコッピーみたいに聞こえる。)となると、foreを解説する語として、上記のようにpreviousが入っているのはそこまで不思議ではないというわけですね。ちなみに、同一語根の原則というのがあるので、接辞と語根は基本的に同じ言語系統のものになっており、それ故forebiousみたいなことにはならないと言われています。
infer,transferの語源(fer:運ぶこと、持ってくること)
次にferです。これも非常に単語例が多いのでしっかりとおさえておきましょう。
- fer : 運ぶこと、支え持つこと、持ってくること(carry, bear, bring)
- 単語例:infer, transfer
このferの語源は印欧祖語のbher-にあります。で、このbher-の見た目的に(文字の並びを見た雰囲気的に)、このbher-がbearに派生したのは非常に分かりやすいですよね。bearは、「支え持つ」という、コアイメージを持っています。これに動きが加わるとcarry とかbringのような意味を含むのも納得ですよね。transfer は「移る」とか「移転する」と意味を持っていますが、「trans(向こう側へ)+移す」から成り立っていることを考えると納得ですね。
これが、抽象レベルになると、「(責任を)転嫁する」という意味を包括するのも「bear+動き」という基本イメージにあっていますね。また、inferのように、個別具体の事象を、「中(頭の中の世界)に運ぶこと」→「推論する」「暗示する」というのも納得ですね。
effort,comfortの語源(fort:強さ、力)
effort(努力)は、ex+fortから成り立っています。(exのxは、後ろに続くfortのfと同化してfになっています。)ここで、exは外へという意味です。一方、fortは「force=力、強さ」という意味です。ですので、effortは、元々「外に力を出す」というのが原義なんですね。私が、この原義を知ってイメージしたストーリーは以下のようなものです。
Aさんは、とっても文才豊かです。それもそのはずで、Aさんは、毎日3冊の本を欠かさず読むことを習慣にしています。会社の上司のBさんも、Aさんに、そんな面があるということを知っています。でも、Aさんは仕事では、別に誰でもできるような仕事をサクッとこなして定時前に帰ってしまいます。そして、上司のBさんは、「内側に秘めている力を、外に出したら、もっと努力したら、あいつは絶対に昇進できるのに…」と思っています。
どうでしょうか?少し無理があるストーリーですかね?私的には、「外側に力を出す」という原義と、「努力する」という現在の意味を上手に結び付けられたと思うのですが…。,上のストーリーで「あ、なるほど」とならない人は、自分なりに上のストーリー広げたり、オリジナルストーリーを作ったりするのも良いかもしれません。というわけで、以上effortの語源の話でした。
さて、次にcomfort(安息・慰める・元気づける)の話です。comfortは、com+fortから成り立っています。ここでは、comは、意味を強める役割を果たします。普通、comと言えば、「一緒に~」という意味を思い浮かべると思うので、強意の役割があるcomの存在もここで抑えておきましょう。一方、fortは先ほどeffortのところで紹介したfortと一緒です。つまり、force=力・強さという意味ですね。ですので、comfortの原義は、「力ぁぁぁ!!!」みたいな感じです。力は、悲しんでいたり、悩んでいるときには、湧いてきませんよね?ですので、悲しみや悩みを抱えている人に、comfortするということは、「力ぁぁぁ!!!」を与え、元気付けていたということなんですね。というわけで、「力=元気」みたいな感じで捉えられると、理解し易いかもしれませんね。
はい、というわけで今回は「語源で覚える英単語―F」でした。