どうですか?
母音の発音の理論は捉えられましたか?前回お伝えしたのは、あくまでもエッセンシャル版です。でも、それでもやはり、なかなか消化しきれない部分もあるかもしれません。正直、理論だけ知ってても実践できない場合があります。それって、なんかさみしいですよね・・・?(なんだか、イメトレばかり先行して、実際には決められないスリーポイントシューターみたいな感じですよね。やっぱ、大事なのはバランスです。「理論」↔「実践」のどちらも大事です。)
ですので、今回からは「実践」にフォーカスして、具体的に単語を取り上げながら、練習していきましょう。※今回からの一連の記事を書く際に参考にしたのは、こちらの本とこちらの本です。(とても素晴らしい本ですので、ぜひ参考になさってください。)
なお、この記事で取り上げるのは、母音の中でも「短母音」です。ですので、「長母音」とか「二重母音」の発音について知りたい人は、次回以降の記事をご覧くださいね。(※便宜上、「短母音」とか「長母音」とか使っていますが、説明の中では、できるだけ簡単な表現を用いるのでご安心ください。)
では、早速見ていきましょう。
フォニックスでappleのaの発音を攻略!
出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Help_talk:IPA_for_English/Archive_11
最初は、appleのaの発音です。この発音は、発音記号としては左側の上から4番目に位置しているやつです。なんだかaとeが合体したような形をしていますね。
さて、ここからは、実際にaをどのように発音の練習をするのか、その手順の説明に入っていきますね。
- スマホやPCなど、appleの発音が聞ける電子機器を準備する。
- 大きく口を開けて、日本語の「あ」と発音してみる。(この時、舌先が口の下側にあることを意識する。)
- 少しずつ口を閉じながら、舌先を少しずつ上に上げていく。
- 2.3を繰り返しながら、1で準備した音声を聞くことで、発音の仕方を理解する。
或いは、「え」と発音しながら、「舌先の位置」と「口の開閉」を意識して、appleのaと同じ発音を見つけるのもありでしょう。さて、それでは、次の単語を読んでみてください。
- cap
- bag
- sat
どうでしょう?一気に、ジャパニーズイングリッシュっぽさが抜けましたよね。
フォニックスは、共通項をくくって作っていくものです。なので、これからあなたがaを見たら、まずはappleのaの発音で発声してみるようにしましょう。(ここで、例外や他のルールとの対立に目が行きがちの人もいるかもしれません。でも、言語はファジーなものなので、「テキトー」に「だいたいこのくらいのルールで行けるんやなぁ」くらいの心持ちで取り組むほうがHAPPYですよ。本当に。)
フォニックスでendのeを攻略!
出典:上と同じです。
endのeは、日本語の「え」ととても似た発音です。あえて、意識するならば、少し口を横に開いて「え」と言うようにすれば良いとアドバイスされることが多いです。
「eみたいな形の発音記号」と「Eみたいなの形の発音記号」は、現代では、ほとんど使い分けがされていないようなので、シンプルに「え」のような発音でOKです。(ちなみに、韓国語には、これらそれぞれに対応する文字がありますが、韓国人の友人曰く、別に発音を意識的に分けていないと言っていました。)
では、練習です。
- end
- bed
- let
では、次を見ていきましょう。
フォニックスでsixのiを攻略しよう!
出典:上と同じです。
さて、次はsixのiです。これは、先ほどのeとは異なり、ちょっと注意が必要です。上の図では、iは舌先が上の方に来ているように書かれています。しかし、日本語の「い」と比べると、iは「え」に近い場所に位置しています。関係性としては、以下のような感じです。
- い―i―え
ですので、eのように口を横に開く意識をもってiを発音すると良いでしょう。
なお、このような背景があるために、
- six-sex
- pit-pet
などの聞き間違いが、日本人のEnglish learnerには起こりやすいと言われているそうです。(とは言え、日常生活にはコンテクストがあるので、語彙力などが不足していない限り、このようなことは起こりにくいでしょう。)
フォニックスでpotのoを攻略しよう!
出典:上と同じです。
次も、私たちにとっては、少し馴染みが薄いです。「馴染みが薄い=難しい」となりがちですが、実際には、練習すればすぐに慣れるので、「理解→意識して練習」へと移っていきましょう。
さて、そのために、まずはここできちんと理解しておきましょう。potのoは日本語の「お」とは対応しないので、どんな発音なのかをきちんと理解しないと、今後oの発音ができません。ここまで長い説明でお疲れかもしれませんが、もう一度、集中力を高めて御覧ください。
potのoを発音を練習する手順は以下の通りです。
- スマホやPCなど、potの発音が聞ける電子機器を準備する。
- 大きく口を開けて「あ」と発音する。(舌先が前方・下側に位置していることを感じましょう。)
- そこから、舌先を後ろに引いていきます。この時、下側のままにしておくのがポイントです。
- 2.3を繰り返しながら、1で準備した音声を聞くことで、発音の仕方を理解する。
どうですか?できましたか?これで、日本語の「お」と、英語のoは異なる音であることがわかりましたよね。
- top
- dot
などを用いて練習しましょう。
フォニックスでcutのuを攻略しよう!
出典:上と同じです。
cutは日本語でも「カット」ってカタカナ語があるので、馴染みがありますよね。実際、cutのuは「あ」に近い音です。違いとしては、「あっ」という驚いた時にでるような短い音であるという点が挙げられます。ポイントは、短い音というところですね。
aやoは比較的長い音ですが、これらと比べるとuは短い音であるという特徴があります。ですので、「あっ」と驚いた時に出るような音を意識して、cutのuを練習しましょう。
- cut
- bug
- tub
さて、以上がフォニックスで攻略〜短母音編〜でした。(他の母音や、bookなどの音声学的には短母音にカテゴライズされるものの若干異なる発音については、次回以降の記事でお伝えしますね。)