「音が脱落することがあります!」
たぶん発音とかリスニングに対して誠実に向き合ってきた方なら、このような話を一度は耳にしたことはあると思います。あ、「これまで聞いたこと無い=不誠実」なんて言ってるつもりないですからね。ここで初めて出会ったとしても、やはり、出会っているわけですので。。。
まあ、それはさておき。「音の脱落」ってのは、なんだか特殊っぽさが出てますが、そこまで不思議な話でもないんですよね…。というわけで、今回は具体例を交えつつ、「音の脱落」を攻略するためのお話をしていきたいと思います。
音の脱落が起こるのは、当たり前。
いつも通り、結論ファーストでいきます。「音の脱落」が起こる理由は、ズバリ、「その方が楽ちんに話せるから」です。逆に言えば、わざわざ面倒くさくなるような発音の仕方はしません。
となると、ここで1つ大事な視点が生じるはずです。それは、「何が楽ちんか?」という視点です。どうですか?あなたは、英語を話す人にとって「何が楽ちんか?」ということが想像できますか?
実は、この「何が楽ちんか?」という問い、回答するのはそこまで難しくはありません。日本語でも同じようなことが起こるからです。例えば、「たこやき」という単語。この単語を発音する時、takoyakという具合に、最後のiを脱落させている人は実は少なくありません。たぶん、最後のiを意識して「たこやき」と発音するとちょっぴり違和感さえ感じると思います。「たこやき」のアクセントは、「や」の部分にありますからね。(日本語は基本的にはピッチアクセントですが。)
要は、そこまではっきりと発音しなくてもいい部分は、「テキトー」に発音することで楽をするというわけですね。ここまでの話を踏まえれば「すっ」と入ってくると思うのですが…。結局は、日本語においても、英語においても、別にそこまではっきりと発音しないでも伝わるような音―弱母音のschwa(シュワー)など―は、脱落が起こるというわけです。楽ちんのために。
ちなみに、具体的に単語と消失される音を幾つかあげるようとすると、
- familyのi
- historyのo
- universityのi
などがピックアップできます。
そして、同様の理由から、
- t
- d
これら2つの音も「脱落」が生じやすいと言われています。例えば、
- exactly
- kindness
などは、これまでに学んできた母音と子音を意識して発音すると、「あれ?tとかdとか言いにくいな…。もう、取っちゃおう」って気持ちになれるはずです。
これが単語間レベルでも起こるので、例えば、
- don’t know
などは、カタカナ表記でも「ドンノー」となってますよね。「カタカナ表記=私たち日本人も捉えられていること」なので、don’t knowのtはあえて発音しないで良いというのは、すんなり理解できるのではないでしょうか?
というわけで、今回は音の脱落についてお話してきました。最後にポイントをまとめると…
- 音の脱落は、楽ちんのために起こる。
- 基本的な発音(母音・子音)をしっかりと練習すれば、そこまで意識せずとも、「あ、ここ発音しにくいかも…?」という部分で消失が起きていることがあることに気づける。
- 消失が生じやすいのは、シュワー・t・d。
という感じですね。ではでは、今回は以上です。
P.S.
「シュワーって何?」と感じている人は、以下で説明しているのでご確認してみてくださいね。